とまどいたいぺい

知られざる!? 台湾クラシック音楽文化の世界

【クラシック考察@台北】反田恭平さんラジオで台湾を語る!台湾クラシックコンサートの不思議「どうして若い人が多い?」

反田恭平さんがMBSラジオ番組『Growing Sonority』で、リサイタルを行った台湾の印象について語っていらっしゃいます。

番組は惜しまれつつ最終回を迎えましたが、ありがたいことにYouTubeで過去の放送を聴くことができます。

こちらの#150放送回の中で、前半では台北の街並みや食べ物についてのお話、後半ではデビューリサイタルについて、ホールや台湾の観客などのお話があり、大変面白く拝聴しました!

youtu.be

番組中、反田さんが「びっくりしたのは台湾の風潮というか、若い人がコンサートに来るんですよね。10代から30代が一番多いんですって」と語っています。

 

そのことを不思議に思った反田さんが台湾のプロモーターに「そういった環境をどうやって作ってるんですか?」と聞いたところ「それが当たり前だと思ってるから考えたことがなかった。考えておく」と言われ、「どういうことだったんだろう?」と思った、というエピソードを披露していました。

 

私も反田さんと同じことを考えていたので、今回は台湾の若年クラシックファン層の雰囲気と、若者も手に取りやすいチケットの値段についてご紹介しようと思います!

 

日本よりも身近?クラシックアーティストと台湾の若者

こちらをご覧ください。

youtu.be

これは角野隼斗さん2022年台湾でのリサイタルの模様をまとめた短い動画で、当日の観客席の様子やお客様のインタビューも収められており、この動画で客層や雰囲気がよくわかります。

 

「かてぃん愛してる!」「台湾でマスタークラスを開いてほしい」「ショパンコンクール以前からずっと注目してた」など、興奮気味にインタビューに答える若者たち、サイン会の様子も動画の中で見られて興味深いです。

 

そういえば、反田さんはラジオの中で、サイン会では男性ファン数が日本より多かったことに加え、手でハートを作るポージング🫶で写真撮影を求める入り待ちのファンがいたことにもびっくりしたというお話をされてましたが、上の動画を見ると、角野さんも台湾のファンとたくさんハートを作った🫶ご様子です!

 

このかわいらしい🫶写真撮影の様子は、ブルース・リウさんのサイン会でも目撃しました。他にもブルースさんは、手の大きさを知りたがったファンと手のひらを合わせて比べっこしてあげるなど、ファンの求めに気さくに応じていてとても微笑ましい光景でした。

 

このように台湾の若者は、クラシックアーティストとクラシックコンサートを身近に捉えていて、アーティストとの距離の取り方がポジティブでフレンドリー、そしてとっても人懐っこいです。

 

若者に人気のコンテンツを発信している角野さんや、アニメ音楽も手がけたことがある反田さんだからこそ、客層が若いんじゃないのかと思いきや、そうではなくクラシックコンサート自体に若者が確かに多いのです。

開演前待ち合わせる若者たち↑

ピアノリサイタル終演後のロビー↑

台湾のクラシックコンサートはお手頃価格!

若者がなぜたくさん来るのか?その理由の一つとして挙げられるのはチケットの手軽さかもしれません。

公演によって異なりますが、台湾でのクラシック公演チケットは概してお手頃で、台湾の若い人も手に取りやすい値段と言えます。

 

2024年12月に台湾デビューリサイタル予定の藤田真央さんの場合

www.opentix.life

台湾の価格:500元〜3,000元(約2,500円〜14,000円)

日本の価格:4,000円〜21,000円(2023年のリサイタル参考)

 

注:価格は公演によって異なります。300元〜などもっと安く買える公演もありますし、逆にもっと価格が高い公演もありますので、一応ご参考まで。

 

今はかなり円安ですので、ちょっと前の為替感覚だと、2,000円から12,000円という感じでしょうか。それを考慮しても、このように日本と比べてみると値段が安いことは明らかです。

 

500元あったら今台北で何ができる?

また最低価格500元それ自体の台湾での価値を考えてみると、その値段でコンサートチケットが買えることは、一般的な物価(台北中心地は特に物価が高い)から見ても決して高くないと言えます。

 

アクティビティの価格例

台北101展望台入場券 600元

故宮博物院入場料 350元

夜市の食べ物 ひとつあたり100元〜

食事代 ひとりあたり500元〜

映画 ひとりあたり250元〜500元

リサイタル休憩中廊下の様子↑ 芸術鑑賞は若者のアクティビティの一つ?

学割制度でさらにお得!

若い人(16歳から22歳ぐらいの人たち)が芸術文化に親しめるように、お得な学割制度があるのも特徴で、政府に指定された会場で運用されています。チケット購入に使えるポイント付与、一定額の割引、5割引など、かなりお得な値段で演劇やコンサートを楽しむことができます。

 

チケットがアプリで買えて便利!

台湾ではアプリで一括検索・購入ができる、QRコードの電子チケットが主流になっています。その日に安い残席があると、「あ、今日これ行こう」みたいな形で「いきなりコンサート」ができてしまうのも、若者文化に合っています。先日、隣に座っていた大学生ぐらいの男の人と会話したのですが「今日初めて来てみました。体験してみたくて」とのことで、その子もその日「いきなりコンサート」デビューしたようでした。

 

SNSの影響力

反田さんのラジオでもお話がありましたが、カーテンコールの撮影OKなので、撮った写真をSNSでシェアできるのも大きいです。台湾はいい意味でも悪い意味でも口コミの力が本当に強く、他人の口コミを素直にそのまま受容する力も強いです。自分がいいなと思ったり、他の人のポジティブな評価を聞いたら、家族や友達を誘って気軽にコンサートへ行く風潮もあるように感じます。

公演前講座の様子↑

台湾のクラシックコンサートに若い人が多いのはなぜか?

色々な要因がありそうなので、また考察したいと思います🎵