全世界の反田恭平ファンの皆様、お待たせいたしました。
いや、お待たせしすぎてしまいました。
昨年末行われた、反田恭平さんの台湾デビューリサイタルに行って参りましたので、レポートいたします。
2021年ショパンコンクール入賞の快挙以来、全台湾のクラシックファンが待ち侘びたあの夜、会場の興奮は今も忘れられず…それでは、レポートをお楽しみください。
今もっともチケットが取れないと言われる超人気ピアニスト、反田恭平さん。
2023年は同じくピアニスト、幼馴染でもある小林愛実さんとのご結婚、お子様の誕生も話題になりました。
2021年のショパンコンクールでは2位入賞という、内田光子さん以来の大快挙を成し遂げました。コンクールでの演奏はこちらで試聴できます👇
音楽活動は多岐に渡り、オンラインサロン「Solistiade」を主宰されたり、ご自身で立ち上げたオーケストラ(ジャパン・ナショナル・オーケストラ)を株式会社化し、経営者としても手腕を発揮しています。
まさに新しい時代を牽引する音楽家として、これからのクラシック界を大いに盛り上げていかれること間違いなしの反田さん、2022年にはご自身の著書を出版されています。
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こちらの『終止符のない人生』では、ロシア留学時代のお話、クラシック界へのビジョン、ショパンコンクールでのプログラム選曲のエピソードなどなど、盛りだくさんに語られています。今の反田さんを作り上げたものを伺い知ることができ、そしてこれからの反田さんが100万倍に楽しみになる、コンサート鑑賞前必読の一冊です。
コンサートレポート
日時:2023年12月29日(金) 19:30開演
会場:國家音樂廳
当日のプログラム冊子は完売!(最後の一冊は私が買わせていただきました)
CDも完売したとの情報も伺い、台湾でもその注目度たるや、ものすごいと思います。
年の瀬にもかかわらず日本の方も多く、台湾の方は若い方がたくさん来ていらっしゃいました。
私の席の周りにはグループで来ていた地元の高校生がいて、開演前からみんなワクワクしている様子でした。
隣には、全曲の楽譜持参で聴きに来た方(おそらく音大生)が座っており、今日は絶対に何か吸収して帰るんだ!という意気込みのようなもの感じました。
お客様にここまでコミットさせてしまう反田さん、すごい!
本日のプログラム
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22
-途中休憩20分-
今回の台湾のリサイタル演目は贅沢極まりないオールショパン。
ショパンコンクールでワルシャワ市民の心をがっしり掴んだ『英雄ポロネーズ』から始まり、1曲ごとにため息が出るほど、華麗な音色の連続、大迫力の演奏でした。
大好きな曲ばかりを反田さんの演奏で間近に聴くことが叶い、本当に幸せでした。
↑拍手と歓声に応える反田さん
公演中、舞台に再登場しピアノの位置に着くと、おもむろに「すみません」とジェスチャー、そして靴を脱いできちんと隣に置き、演奏を始めた反田さん。
この日靴を脱がれた理由は、後日談があるかなと思って調べたのですがよくわからず。機会があれば、是非ご本人様に聞いてみたいです。
確かに感じたことは、反田さんが靴を脱いだ瞬間、会場に漂う独特の雰囲気が程よくゆるみ、舞台上の演奏者と客席の間に心地よい関係性が生じたということです。
続く演奏中は気持ちの良い緊張感が漂う中、聴衆はさらに演奏に引き込まれていきました。
演奏を通じ、舞台上から聴衆を掴んでグッと惹きつけ離さないパワー、これこそあの日会場の集中力があれほどに高かった理由だったと感じます。
この反田さん最強の魅力はショパンコンクールでも間違いなく発揮されていたことでしょう。
本日のアンコール
リスト:献呈(シューマン) S.566 R.253
アンコールは5曲も。一曲ごとに割れんばかりの拍手でした。
『献呈』は、私も反田さんの演奏が大好きです。
著書にもモスクワ時代のこの曲と反田さんのエピソードが書かれていましたので、ぜひご一読ください。
↓終演後はサイン会も大盛況でした。
今回のリサイタルでは入魂のショパンづくしプログラムを、惜しげもなく台湾の聴衆に披露してくださいました。謝謝!
またすぐ台湾に来て演奏してくださるのを、みんな楽しみに待っています。
本日の中国語キーワード
反田恭平:反田恭平 fǎntián gōngpíng
ショパンコンクール:蕭邦國際鋼琴大賽 xiāobāng guójì gāngqín dàsài
ワルツ:圓舞曲 yuánwǔqǔ
マズルカ:馬厝卡 mǎcuòkǎ
バラード:敘事曲 xùshìqǔ
リスト:李斯特 lǐsītè
シューマン:舒曼 shūmàn
次回の台北コンサートレポートもお楽しみに!