とまどいたいぺい

知られざる!? 台湾クラシック音楽文化の世界

【周杰倫】ピアノ好き必見映画『不能說的秘密(Secret)』周杰倫(ジェイ・チョウ)とクラシック音楽

こんにちは!ブログをご覧いただきありがとうございます。

本日のブログでは、2007年公開の台湾映画『不能說的秘密(Secret)』と、明日6月28日から日本全国公開の映画『言えない秘密』の「音楽」について触れています。あらすじには触れていませんが、これから作品を見ることを楽しみにしていて、まだ何も知りたくない!という方は、映画を見終わってから、この記事にまた戻ってきてくださいね。それでは、再見~

 

 

 ♪🎵  ♪  🎵 ♪  🎵 ♪  🎵 ♪  🎵 ♪  🎵♪

 

 

大ヒットした台湾映画『不能說的秘密』を原案に、日本で制作された映画『言えない秘密』が、いよいよ明日、6月28日に全国公開されます。大人気グループSixTONESストーンズ)の京本大我さん、女優の古川琴音さんが主演を務めるということで、ファンの皆様も公開を楽しみに待っていらっしゃることと思います。

予告編映像を見てもわかるとおり、この作品ではピアノ音楽が映画のストーリーを紐解く重要なポイントになっています。この映画の公開にはクラシック音楽業界も注目しているようで、古川琴音さんが音楽誌「月刊ショパン」6月号の表紙を飾っています。古川さんはピアノを習ったことがあるそうですが、京本さんはピアノ初挑戦だったそうです。そんなお二人のピアノ演奏シーンもとても楽しみですね。

 

原案の映画、台湾大ヒット作の『不能說的秘密』(Secret)とは?

この映画『言えない秘密』の原案になったのは、台湾が誇る天才アーティスト周杰倫(ジョウ・ジエルン/日本では「ジェイ・チョウ」の名前でおなじみ)が監督した、2007年公開の映画『不能說的秘密』(訳:言えない秘密)です。

ジェイ・チョウはこの映画で、監督のみならず主演も務め、音楽も担当しています。今から17年も前の公開当時、一大センセーションを巻き起こした映画で、台湾で公開された翌年には日本でも公開されました。ノスタルジックな雰囲気と、ミステリアスなストーリー展開が魅力で、現在も世界中にファンが多い作品です。特にアジア圏だと韓国で根強い人気があり、韓国版のリメイク作品も公開予定です。台湾、日本、韓国、それぞれの作品を見比べてみるのも楽しいかもしれません。

映画の舞台になった「淡江高中」(高校)はジェイ・チョウの母校でもあり、実際の映画の撮影地ともなっています。映画公開から15年以上経った今も、海外からロケ地巡りで訪れるファンがいるほど有名な学校です。ストーリー自体の魅力もさることながら、ジェイ・チョウが担当した楽曲と、ショパンなどのクラシックの名曲が登場するピアノバトルなど、ピアノ演奏のシーンが見どころで、ピアノ好きの人にも見てもらいたいおすすめの作品です。劇中歌はサウンドトラックにもなっているほか、楽譜になって出版もされています。

クラシック音楽を学んだ大スター周杰倫

この映画の監督をしたジェイ・チョウは台湾出身の歌手で、中華圏で絶大な人気と支持を誇るポップミュージック界の神様のような存在です。その絶対的な存在感から「周董」(ジョウドン:直訳すると「周会長」)とも呼ばれています。音楽活動以外でも「周董」の動静は注目の的で、何かにつけニュースになるほどです。

ジェイ・チョウが台湾のミュージックシーンに登場したとき、たくさんの人々がその音楽性に衝撃を受け、新しい時代の到来を感じたということです。ちょうど日本の音楽界に宇多田ヒカルや藤井風が登場したときのカルチャーショック、それに続く社会現象と似ていると言えるのかもしれません。

ジェイ・チョウは幼い頃からピアノを学び「淡江高中」の音楽系(音楽科)でクラシック音楽を学びました。高校卒業後は大学には進まず、オーディション番組に歌を歌う友人のキーボード伴奏として出演したところ、才能を見出されその後のデビューにつながりました。有名歌手への楽曲提供も行い、自身もシンガーソングライターとして大ヒットしました。ジェイ・チョウは、その音楽性に最も影響を与えているものとしてクラシック音楽を挙げ、ヒップホップやR&Bテイストの楽曲も、クラシックの音楽知識をもとに作曲していると語っています。映画『不能說的秘密』は、そのクラシックで培った彼の音楽性が存分に発揮された映画です。

楽曲『Secret』の秘密!?

この映画には『Secret』というピアノの表題曲が登場し、こちらが映画の中でとても重要な役割を担っています。日本で公開される『言えない秘密』にも、同じタイトルの楽曲が登場しますが、こちらはNHK大河ドラマなどの楽曲を担当したことでも知られる富貴晴美さんが作曲を担当したそうで、台湾映画とは異なる楽曲のようです。

台湾のジェイ・チョウによる映画の表題曲『Secret』はストーリー展開に関わる、ある重要な意味を持つ楽曲であることと相まって、よくよく聞くと音楽的に作曲上の工夫がされているように聞こえることから、ジェイ・チョウクラシック音楽的素養が垣間見られます。台湾版の映画をご覧になった方は、この曲についてどのように感じられたでしょうか。

『最偉大的作品』のミュージックビデオにも…

ジェイ・チョウは前回のラン・ランさんの紹介記事でも登場しています。まだお読みになってない方は、こちらも併せてご覧くださいませ。

blogmegane.hatenablog.com

こちらで紹介した『最偉大的作品』のミュージックビデオは、パリでロケが行われていますが、ジェイ・チョウのミュージックビデオは、オール海外ロケで撮影されたストーリー仕立てのものも多く、まるで映画のようなミュージックビデオも毎回ファンの期待や注目が集まるポイントになっています。特にラブストーリー仕立てのミュージックビデオでジェイ・チョウの相手役を演じる女性は、007のボンド・ガールよろしく「ジェイ・ガール」と呼ばれ、こちらへの注目度もとても高いようです。

こちらの『最偉大的作品』のミュージックビデオはラン・ランとの共演の話題でご紹介したばかりですが、このビデオのストーリーはサマリテーヌに置いてあるピアノで「ある旋律」を演奏するところから始まります。すでにお気づきの方もいたかもしれませんが、実はミュージックビデオには、映画『不能說的秘密』のオマージュ的な要素が多分に盛り込まれていたのです。この映画がジェイ・チョウのファンにとって、時が経った今でも変わらず特別なものであることが伺えます。

クラシック音楽要素が色濃い楽曲『琴傷(Piano of Sorrow)』(チンシャン)

中華風、ヒップホップ、R&Bなど、バラエティー豊かなテイストの楽曲を世に送り出してきたジェイ・チョウですが、上で述べた通りクラシック音楽の影響を受けているアーティストです。特にクラシック音楽の影響が強い楽曲『琴傷(Piano of Sorrow)』が興味深いので、ぜひチェックしてみてください。

こちらの楽曲では、チャイコフスキー舟歌と、モーツァルトトルコ行進曲が編曲されて登場します。日本でもお馴染みのクラシックピアノの名曲がジェイ・チョウにかかればこんな楽曲に大変身です。

www.youtube.com

ミュージックビデオにはジェイ・チョウ扮する調香師が登場し、香りで呼び覚まされる別世界がテーマになっています。調香師が弾いているピアノは、別の楽曲のミュージックビデオでも使われたものを改造して再利用したのだそうです。ピアノは香水を作る蒸留機の動力部になっているという、想像力豊かな演出で制作されています。

下のテレビ番組の取材動画でも、同じくジェイ・チョウによるクラシックの名曲の編曲を聴くことができます。映画でも登場したピアノでの即興演奏で、ショパンのワルツとリストの「ため息」に、オリジナルの編曲部分を加えたバージョンを披露しています。

 クラシックにも長けた不動の人気を誇る大スタージェイ・チョウさん、彼が生み出す世界観にたくさんの人たちが影響を受けてきました。アジアが生んだ唯一無二のアーティストとして、今後の進化からも目が離せません。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

よろしければバナーのクリックもお願いいたします👆